虫歯・歯周病があっても矯正できる?先に治すべきケースと治療の順番

虫歯や歯周病があっても矯正治療は可能です
歯並びを整えたいと考えているけれど、虫歯や歯周病があるから矯正治療を諦めている方はいませんか?
実は、虫歯や歯周病がある状態でも矯正治療は可能です。
ただし、症状の程度によって治療の順番が変わってきます。軽度の虫歯であれば矯正治療と並行して進められるケースもありますが、重度の場合は先に虫歯治療を完了させる必要があります。歯周病についても同様で、炎症の状態を改善してから矯正治療を開始することが重要です。
この記事では、虫歯や歯周病がある場合の矯正治療について、先に治すべきケース、同時進行できるケース、そして治療計画の立て方まで詳しく解説します。
虫歯の程度別・矯正治療開始のタイミング
虫歯がある場合、その進行度によって矯正治療を始めるタイミングが変わります。
軽度の虫歯(C1)の場合
表面のエナメル質のみに虫歯がある初期段階では、矯正治療と並行して治療を進めることができます。痛みがなく、小さな詰め物で対応可能な虫歯であれば、1〜2回の通院で治療が完了するため、矯正治療の開始を大きく遅らせることはありません。
樹脂素材の詰め物で対応できる虫歯は、治療回数も1回で済みます。
中等度の虫歯(C2)の場合
象牙質まで達した虫歯では、冷たいものがしみる症状が出てきます。この段階では、矯正治療前に虫歯治療を完了させることが推奨されます。やや大きめの詰め物が必要になり、場合によっては神経の処置が必要になることもあります。
セラミックや金属素材の詰め物・被せ物が必要な場合、治療回数は2〜3回かかります。型取りから作成まで1〜2週間程度の期間が必要になるため、矯正治療の開始時期について歯科医師とよく相談することが大切です。
重度の虫歯(C3・C4)の場合
神経まで達した重度の虫歯や、抜歯が必要な虫歯の場合は、必ず虫歯治療を優先します。
根管治療(神経の治療)が必要な場合、神経の治療だけで約4回、歯の土台作成に1〜2回、被せ物の型取りと装着にそれぞれ1回ずつで、合計8回程度の通院が必要になります。ズキズキした痛みが出やすく、放置すると神経が壊死する恐れがあります。
被せ物が必要な場合は、矯正治療後の最終的な歯並びを考慮して治療を行う必要があるため、慎重な治療計画が求められます。
歯周病がある場合の矯正治療の進め方
歯周病は日本の成人の8割以上が発症していると言われており、歯を失う最大の原因です。
歯周病がある状態で矯正治療を始めると、症状が悪化する可能性があります。そのため、歯周病の進行状況を確認し、適切な治療を行ってから矯正治療を開始することが重要です。
軽度の歯周病(歯肉炎)の場合
歯ぐきが炎症を起こし、部分的に腫れている段階では、歯に付着した歯垢や歯石を除去し、正しいブラッシングを心がけることで炎症が改善します。この段階であれば、基本的な歯周病治療を行った後、比較的早く矯正治療を始めることができます。
超音波の機器を使用したスケーリングで歯の表面の歯垢や歯石を除去し、PMTCクリーニングでプラークの再付着を防ぎます。
中等度〜重度の歯周病の場合
歯周ポケットが深くなり、歯槽骨の破壊が進んでいる状態では、より専門的な治療が必要です。
歯周病治療を行う際は、歯周ポケットの深さが4ミリ以上ある場合、プラークコントロールやポケット内の歯周病菌を減少させた上で、歯周組織の安定を確認してから矯正治療を行います。重度の歯周病が進行している場合、状態が非常に悪く予後が良くないと判断された時には、抜歯の選択を行う場合もあります。
抜歯後は、矯正治療で抜いた部分のスペースを詰めて整える方法や、インプラントを挿入してから矯正治療を行う方法などが選択されることがあります。ただし、炎症がまだ残っている状態では、インプラントや矯正治療の進行は困難です。まずは歯周病の状態を抑えることが必要です。
矯正治療中に虫歯ができた場合の対処法
矯正治療中は装置の影響で歯磨きがしにくくなり、虫歯リスクが上がります。
もし矯正治療中に虫歯ができてしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか?
ワイヤー矯正中の虫歯治療
ワイヤー矯正では、虫歯治療をする際に装置を一時的に外す必要があります。小さな虫歯の詰め物治療や、装置から離れた部位の治療、歯の裏側や側面の治療であれば、矯正装置を装着したまま虫歯治療を行うことが可能です。
ただし、装置の直下の虫歯や大きな範囲の治療が必要な場合、被せ物が必要な場合は、一時的にブラケットやワイヤーを外して虫歯治療を行い、治療完了後に再度装置を装着します。一時的に歯の移動が止まり、装置の再調整費がかかる場合もあるため、早めの対応で中断期間を最小限にすることが大切です。
マウスピース矯正中の虫歯治療
マウスピース矯正は取り外せるため、虫歯治療との両立がスムーズです。装置を外して治療ができ、治療後すぐに再装着できるため、通院スケジュールの調整が容易です。
ただし、詰め物・被せ物(補綴)で歯の形が変わるとマウスピースが合わなくなるため、必要に応じて再スキャン・再製作が必要になります。
矯正治療中でも、虫歯治療は別の一般歯科で受けることができますが、矯正装置の扱いに慣れていない歯科ではトラブルになることもあります。矯正医に紹介してもらうか、連携医院を利用すると安心です。
矯正治療前のカウンセリングと検査の重要性
矯正治療では、すぐに矯正装置を装着することはありません。
まず事前に精密な検査を行います。この検査では、レントゲンやCTを撮影し、埋まっている歯の確認や顎骨の状態を確認します。また、歯の並びを見やすくするためにお口全体の型どりを行い模型も作成します。そしてもちろん虫歯や歯周病のチェックも行います。
痛みなど緊急性がないのであれば、まず虫歯治療を行う前に矯正治療のカウンセリング・検査を行うのも1つの方法です。矯正治療の検査とともに虫歯の状態も確認することができます。
先に矯正歯科医を決め、治療計画を立てた上でその計画に沿って虫歯治療を行った方が、時間のロスや必要のない虫歯治療を減らせることもあります。比較的小さな虫歯や矯正装置から離れている小さめの虫歯は矯正治療を始めてからでも治療ができます。
また、矯正治療で抜歯が必要と診断された場合、その歯に虫歯があってもわざわざ虫歯治療を行う必要がなくなります。
もし、痛みやしみる等の症状がある虫歯の状態であれば、虫歯治療が最優先になります。その際は、虫歯治療を行う歯科医に「矯正治療を考えている」ということを事前に伝えて、スムーズに矯正治療を始められる方法を考えてもらいましょう。
矯正治療中の虫歯・歯周病予防のポイント
矯正治療中は装置の影響で歯磨きがしにくく、虫歯や歯周病のリスクが上がります。
特にワイヤー矯正ではブラケットやワイヤーの周囲に汚れが溜まりやすく、マウスピース矯正でも長時間の装着や飲食時の油断が原因となることがあります。
効果的なホームケアの方法
矯正装置が装着されていると清掃が難しくなるため、いつも以上に丁寧な歯磨きが必要です。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシや専用器具を活用し、装置の周囲も念入りに磨きましょう。
マウスピース矯正の場合は、装置を外して飲食できるメリットがありますが、食後は可能であれば歯磨きを、難しければ口ををゆすいでから装置を装着することが重要です。甘い飲み物や間食の増加も虫歯リスクを高めるため、食生活にも注意が必要です。
定期的なプロフェッショナルケア
歯科医院でのプロフェッショナルクリーニング(PMTC)を定期的に受けることで、自分では取り除けない歯垢や歯石を除去できます。専門的な知識、技術、道具を活用して行う歯科医院ならではのクリーニングメニューです。
歯垢や歯石を一掃して虫歯や歯周病の予防に貢献し、歯面もきれいになるので、ぜひ定期的にご利用ください。矯正治療中は特に、3ヶ月に1回程度の定期クリーニングを受けることをおすすめします。
矯正治療を成功させるためには、健康な土台作りが欠かせません。虫歯や歯周病の治療を怠ってしまうと、矯正治療がうまくいかないどころか、口腔内がさらに悪化する可能性があります。事前にきちんと治療を行い、矯正中も適切なケアを続けることが大切です。
プラージュ矯正歯科クリニックの治療アプローチ
虫歯や歯周病がある場合でも、まずは矯正治療のカウンセリング・検査を受けることで、総合的な治療計画を立てることができます。また、矯正治療中に虫歯や歯周病の治療が必要な場合には提携しているクリニックをご紹介いたします。
虫歯があるけど矯正を始めたい、歯周病が気になるけど大丈夫かなど、少しでも心配や疑問がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。詳細はこちら:プラージュ矯正歯科クリニック



