「睡眠時無呼吸症候群と咬み合わせに関して」
歯並び矯正と睡眠時無呼吸症候群はこれまであまり関わりを持たない分野でしたが、近年その関係性に注目されることが増えてきたようです。
睡眠時無呼吸症候群については、2012年群馬県藤岡市の関越自動車道で高速バスが壁に衝突した事故も記憶に新しく世の中に衝撃を与えています。居眠り運転の事故の中で睡眠時無呼吸症候群患者の割合は、通常の5倍というデータもあります。
そもそも睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が止まってしまう病気で、しっかりとした睡眠が取れないことから様々な弊害につながってしまうというものです。この睡眠時無呼吸症候群の原因の一つに咬み合わせも考えられるようになってきたというのが今回のテーマです。
下顎後退症と呼ばれる下あごが後ろ側に下がってしまっている症状で、下顎が下がることで気道の確保にストレスがかかってしまっているというものです。MBTという矯正の学会の一つのグローバルミーティングで耳鼻口腔外科医と内科医、口腔外科医とで睡眠時無呼吸症候群の治療にあたった発表がありました。下がってしまった下顎を前に移動する手術をし、更に矯正治療を行うことで無呼吸症候群を改善するというものです。
一昔前までは、歯並びを綺麗にするということが矯正治療というイメージが強かったかと思いますが、近年になり、睡眠時無呼吸症候群のような一見関わりの無いような病気との因果関係が見えてくることで顎全体の咬み合わせを考えたトータルの治療の必要性が見えてきました。
全ての無呼吸症候群の原因が咬み合わせというわけではありませんが、矯正治療をすることで鼻呼吸が楽になったという患者さんは多くいます。プラージュ矯正歯科クリニックでは、咬み合わせ全体を考慮に入れた矯正治療を心がけております。