オーバージェット、オーバーバイト
今日のテーマはオーバージェットとオーバーバイトに関してです。
オーバージェットと言うのは、上の歯と下の歯の前後の位置関係のことを指します。この距離が大きくなればなるほど出っ歯になっているという物差しになる数値です。
オーバーバイトと言うのは歯の咬み合わせの深さを指します。開口(かいこう)という症状はこの数字がマイナスで、上下の歯が触れていないことを意味します。逆に数字が大きくなればなるほど咬み合わせが深く、ディープバイトと呼ばれます。症状がひどい場合は上の歯が下の歯に完全に重なっていて、下の歯が見えない(過蓋咬合)という患者さんもいらっしゃいます。
平成23年に厚生労働省が歯科疾患実態調査を行ったレポートを出していて、中々参考になるのでご紹介いたします。12歳から20歳までの方を対象にした結果です。
①オーバージェット(対象209名)
4㎜以上:71名(うち6㎜以上:27名)
約3人に1人の方がオーバージェットの数値が大きい(出っ歯)ということが分かります。6mmまで来ると上下の歯が接触することは難しく、接触したとしても下の歯の先端は上の歯の裏側に接触するため、食べ物を咬みきることが難しい状態だと思います。
②オーバーバイト(対象194名)
4mm以上:35名 -0.5以上:9名 -4mm以上3名
オーバーバイトを見てみると、4mm以上の過蓋咬合の方が35名ですので、約5名に1人いることが分かります。逆にマイナス値の方(開口)が12名で、やはり食べ物を咬むことに問題を抱えているのが分かります。
オーバージェットもオーバーバイトも一見歯列自体は綺麗に並んでいる方もいらっしゃいます。叢生(歯のデコボコ)のように一目で歯並びが悪いということが分かりにくいものでも、機能的不正咬合と言われるように、食べるという機能に対して問題が出てくるものもあります。
今後も参考になる歯科矯正に関するデータを紹介していければと思います。