乳歯の咬み合わせに関して
今日は子供の矯正に関してのコラムになります。「乳歯の歯並びが気になるのですが、永久歯になってから矯正治療を受けたほうが良いですか?」という質問です。
矯正治療に関しての情報がインターネット上にも多く出てくるようになり、こういった質問を受けることが増えてきました。いろいろ調べてみると、乳歯のかみ合わせに関しては放っておいても大丈夫という文章を目にします。
これに関しては様々な意見があり、矯正専門医の中でも意見が分かれる部分があります。どの意見が正しいと言い切ることはできませんが、一つ言えることは、歯並びが気になった時点で一度矯正専門医に診てもらうというのが良いと思います。
乳歯列期の子供の場合、すきっ歯であっても永久歯になることで隙間が埋まり、きれいな歯並びに勝手になるということもあります。
それとは反対に子供の時は隙間なくぴったりと歯が並んでいたのに、大人になって凸凹になってしまうということもあります。これは顎が小さく、大人になって歯の並ぶスペースがないことで起きます。
また、子供の3歳時検診で受け口(反対咬合)を指摘されても、早めに治療することで簡単に治る場合があります。大人になってから重度の反対咬合を治すには手術が必要になってしまいます。
歯並びが気になったら一度矯正専門医に診てもらうと、顎の大きさや、まだ生えてきていない歯の向きなどをチェックすることから、矯正治療が必要かそうでないかを判断できます。顎が小さい場合は顎の成長を助けて抜歯をしないで矯正治療をする可能性を高めることにもつながります。
日々の習慣、指しゃぶりや歯磨きの丁寧さなど、いろいろなものが子供の歯並びに影響を与えます。そして大人になることで解決する場合、逆に悪化する場合と人それぞれ違います。そのため一概に子供の歯並びは放っておいてよいとは言い切れませんし、子供のうちに矯正治療を開始しなくてはいけないということもありません。その人にあったタイミングで矯正治療をすべきだと考えています。