受け口=下顎前突と残存歯の関係
今日は受け口と残存歯に関しての情報をご紹介していこうと思います。
受け口とは下顎前突、反対咬合ともいい、下あごが前に出ている症例のことです。 出っ歯(上顎前突)と同じく日本人に多い症例の一つで、「しゃくれている」と表現するほうがわかりやすいかもしれません。
今回ご紹介したいのは、受け口と残存歯に関するデータです。 日本では以前8020運動という80歳までに自分の歯を20本残そうという運動が厚労省から始まりました。しかし去年の発表によると受け口の患者さんの場合、8020運動達成した人が一人もいなかったとのことです。
受け口の場合、歯磨きが難しく、虫歯、歯周病などにつながりやすく、バランスの悪い咬み合わせで長年過ごすため、なかなか80歳まで自分の歯を残すことが困難だということがデータでわかりました。
出っ歯の場合と同じく、受け口も見た目の問題を改善したく矯正治療を受けに来る患者さんが多いと思います。しかし、咬むという機能だけでなく、こういった長く自分の歯と付き合えるかという視点で考えたときに、受け口の歯並びを改善することの大切さがさらに見えてきます。
また、受け口の場合は、単に歯並びの改善だけでなく顎の咬み合わせを含めた治療をしていく必要があります。過去に受け口は子供のうちに矯正治療したほうがよい理由を書きましたが、顎の成長のバランスを見ながらの矯正治療がとても大切になります。外科手術が必要になるケースもありますので、一度矯正専門医で確認してもらう事をお勧めしたいと思います。