予防の観点から矯正治療を考える|歯が抜ける本数
こんにちは。横浜のプラージュ矯正歯科クリニック院長の野久保です。
今日は少し怖いテーマになってしまいますが、歯が抜けてしまうことについて考えていきたいと思います。
8020運動については以前ここで書いたことがありますが、実は年齢別に歯が抜けてしまう平均というのが発表されています。
■年代ごとの歯が抜ける本数
- ・40代:1~2本
- ・50代:2~3本
- ・60代:約3本
- ・70代:5~6本
30代まではあまり考えることがないかもしれませんが、40代から歯が抜けはじめ、70代までで10本以上抜けてしまうという統計が出ているのです。
これは歯の性質として抜けてしまうものではなく、習慣や、環境からくる外的要因で抜けてしまうことがわかっています。
■歯が抜ける原因
- 1.齲蝕(虫歯)、歯周病
- 2.歯並び、噛み合わせ
上記歯が抜けてしまう最大の原因は虫歯と歯周病です。虫歯は放っておいても治ることがないですが、多くの人がそこまで痛くないということで治療を後回しにしてしまい、最終的に抜歯が必要な状況になってしまっているということがあります。歯周病に関しても同じく日々のメンテナンスが十分でないために起きてしまっているということがあります。
二番目に書いた歯並び、噛み合わせは、虫歯、歯周病の原因につながってきます。叢生(デコボコ、乱杭歯、八重歯、捻転など)があると歯磨きをしっかりとすることが難しくなってしまいます。
以前8020運動のところで書きましたが、上顎前突(出っ歯)や下顎前突(反対咬合、受け口、しゃくれ)の方は8020運動達成者の中にいなかったというデータもありました。上顎前突や下顎前突の場合はなかなか口を閉じることが出来ない(オープンバイト、開口)状態にもなっていることが多く、口の中が乾燥してしまいます。口腔内が乾燥(ドライマウス)してしまうと、唾液による自浄効果が下がり、やはり虫歯や歯周病へとつながっていきます。
歯が抜けてしまうということは少しイメージしづらいことかもしれません。けれども実際に多くの方が数本、あるいはそれ以上の歯が抜けてしまう、あるいは抜かざるを得ない状況になっている現状があります。
そういった観点で、日々のブラッシング、定期的な歯科医院でのクリーニング、あるいは歯並びチェックも大切なことになってきます。長く自分の歯で美味しい食事を食べるためにも意識していきたいことですね。