歯の打撲や怪我について
不正咬合は様々な種類があり、また患者さんによってその原因は全く違います。例えば同じ上顎前突であっても、遺伝からくるもの、舌癖からくるもの、骨格の問題などいろいろあります。舌癖などからくる不正咬合は、いわゆる先天的な原因ではなく、後天的な原因となるため、ある程度予防することもできます。
今回のテーマ、打撲や怪我が原因で不正咬合になってしまうケースも稀にあります。これはもちろんなかなか予防できるものではありませんが、実際歯が抜けてしまったとなると放っておくことで不正咬合に繋がってしまうことがあります。
子供さんの怪我からの相談が多いのですが、やはり部活動などのスポーツ時における怪我があります。歯が少しぐらつく、うっすら黒ずんできたといった症状は、時間が経つことで自然治癒することが多いので、それほど慌てなくても大丈夫だったりします。できる限り負担をかけないように柔らかいものを食べるなどで様子をみるのが良いと思います。気になる場合は念のため受診するようにして頂ければと思いますが、問題は歯が抜けてしまった場合です。
まず万が一歯が抜けてしまった場合の対処法についてです。
これはできる限り洗わないようにそのままの状態で歯科医院へもっていくようにしてください。洗ってしまうことで必要な細胞がなくなってしまいますので、歯科医院へ行く時間がかかるようでしたら牛乳などにつけておくのもお勧めです。
一番気を付けなくてはならないのが、そのまま放っておくことです。
歯が抜けた状態を放置してしまうと、隣接する歯牙が倒れこんできます。また噛み合う反対の歯が出てきてしまうことにもつながります。歯は基本的に片方の顎の歯1本に対して反対の顎の2本の歯が噛み合うようにできています。1本抜けると隣接する歯、そして対合歯に悪影響を及ぼします。その影響がゆくゆく顎関節症へとつながってしまう場合もあります。
怪我などで歯が抜けてしまった場合は、できる限りそのままの歯を持って早めに歯科医院へ行くようにしましょう。