矯正治療をした時期について
皆さんは矯正治療をしてみようと思ったことはありますでしょうか? または、もう矯正治療を受けられた方はいつ頃のことだったか覚えていますか?
当院でも矯正治療に来院する患者さんの年齢は様々です。親御さんに連れられたお子さんもいますし、8020運動という80歳まで20本の歯を残そうという意識を持った大人の方も多く来られます。では治療をする年代はいつが一番多いのかということで調べていると、そういったアンケートがありましたので紹介していきたいと思います。
今年インターネット調査会社が行ったアンケートとなっています。
◆あなたが矯正治療を始めた時期はいつ頃ですか?
- ○小学生以下:42.3%
- ○中学、高校生:21.5%
- ○大学、短大、専門学生:5.8%
- ○社会人:30.4%
この様に、学生の時期に開始する人が69.6%、社会人以降で開始する人が30.4%となりました。昔はもう少し社会人の割合が多かったように思いますので、近年の小児期の矯正治療に対する注目度が高くなってきているのかなと思います。
当院でも最近よく非抜歯で治療をしたいからお子さんを連れてきたという相談を受けることがあります。しかしこれは間違いではないのですが、全ての人が非抜歯で治療できるわけではありませんのでそこは覚えておいてください。
小児期から矯正治療を行うことで、顎の骨の成長を促し歯が並ぶスペースを確保しながら治療できるという点では、大人になってからの矯正治療より小児期の矯正治療の方がメリットがあるといえるかもしれません。しかし歯があまりにも大きい場合などは全ての歯を並べるだけのスペースを確保できない人もいますので、そういった場合は抜歯も視野に入れた治療計画を提案することになります。
その他に小児矯正のメリットとしては癖を改善しやすいということがあります。頬杖や変な姿勢で寝てしまっているなどの癖がある人はいないでしょうか?こういった癖の積み重ねで顎が歪んでしまったり、叢生という歯並びが崩れてしまう状態になることが良くあります。矯正治療を行うことによってその癖の改善をするトレーニングも行いますし、自身も今まで以上に意識して直そうと思ってくれるので早期に癖を無くしていけるのは大きなメリットだと思います。
また、今の不正咬合の悪化を防ぐというメリットもあります。上顎前突(出っ歯)や下顎前突(受け口、しゃくれ、反対咬合)がある状態で放置すると噛み合わせが悪くなり、不正咬合が悪化してしまう可能性があります。そのため、まだ症状が軽いうちに正常な咬合状態に持っていき、成長を促すということが可能なのも大きなメリットといえるかと思います。
この様に、小児矯正にはメリットと感じてもらえることも多くあります。しかしそれも患者さんの口腔内の状態によって可能かどうかという見極めが必要になります。そのため、矯正専門医はしっかりとした検査と診断を行うことに時間を割いて、納得してもらえるまで説明と提案を行っています。状態によって、今はまだ治療をしなくても良いという提案をすることも大事なことだと思っています。歯並びが気になった時、まずはカウンセリングを受けられてください。