歯の寿命について
今回は、歯の寿命ということについてご紹介していきたいと思います。
皆さんは歯にも寿命があるというのはご存じでしょうか? 少し古いデータなのですが、厚生労働省から歯科疾患実態調査報告(平成11年)で各歯牙における寿命というのが公表されています。
https://www.mhlw.go.jp/topics/0105/tp0524-1-10.html
参考:厚生労働省
この表によると男女ともに下顎の犬歯が66.7年、66.2年と長くなっています。反対に第二大臼歯が50年と49.4年と最も短くなっています。奥に行けば行くほど寿命が短くなっているということもお分かりいただけるのではないでしょうか。
また、歯を失う原因として9割近くを占めているのが、歯周病(56%)と虫歯(30%)でした。日々のメンテナンスの影響が大きく出ているのだと思いますが、ここまではっきりと数字で出ていることを考えてみると、口腔内の健康を保つということはそれなりの努力が必要になってくるのではないでしょうか。
噛み合わせの重要性
歯周病、虫歯以外にも歯が抜けてしまう原因として最近取り上げられているのが、噛み合わせの不一致です。
介護の業界などでもよく言われているようなのですが、上下の歯がきっちりと噛み合っていれば接触する歯全体で噛む力を分散させることが出来ますが、接触する歯が少ないとその分の力が集中してしまいます。そうすると徐々にその歯が弱くなって抜けてしまうということが起こり得ます。
また、こういった原因で歯が抜けてしまうと、食事の際の咀嚼機能も低下し、栄養の吸収効率が下がったり、認知症のリスクが上がってしまうという懸念点もあります。
リスクを未然に防ぐ
こうしたリスクを未然に防ぐため、矯正治療を検討する大人の患者さんも増えているというのが現状です。歯並びと上下の噛み合わせを綺麗にしておくと、日々のメンテナンスのしやすさに加えて、歯に掛かる力を均等に分散させて歯を守るということに繋がります。
個人差はもちろんありますが、永久歯に生え替わってから短くて平均50年、長くて66年ほどの歯の寿命ということを考えると、少しでも長く歯を残すために、何かしらの努力が必要になるのでは考えられます。
将来への投資という意味での矯正治療はとても有意義な考え方かと思います。歯並び、咬み合わせが気になる方ははまず矯正歯科へ相談に行かれてみてください。自分のお口の状態を診てもらってから治療を受けるかどうか判断するというのも具体性があってより考えやすくなるのではないかと思います。